今週の好きな曲5選

数日前からまた心身共に不調になってしまい普段以上に、より必要以上に、生命力をすり減らされている。見えない敵と闘っている。
そんなときはいつも音楽が支えてくれる。音楽を聴いて気を紛らわせ、音楽に乗せて伝えられる言葉に励まされてきた。私は音楽がないと外も歩けない。そうして守ってもらわないととても恐ろしい世間のなかに溶け込んでいけない。音楽は鎧なんで。

まあこういう理由で音楽を聞くのが大好きなもので音楽の話をしたいしたいと日頃から思ってるのですが、中々話す機会がなく、また以前持っていた邦ロック垢は削除し作り直す気力もないのでこういうかたちで話せたらいいなと思ってやります。「今週」なんてつけてみたので週一くらいでできたらいいんですけど、私のことだからこれで最後になっちゃったりしそうだな。

──────────────────────あなたへ/エレファントカシマシ

https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%B8/1440747739?i=1440748508

初めて聞いたときに恋の歌だと思ったんですけど、恋というよりも愛、それも家族愛に近い部類の愛の歌。愛する人へ自分の愛を継承していく歌。
エレファントカシマシが4.5年前辺りに急にメディア露出が増え(た気がする)て、メディアが放送したいように切り取られたエレファントカシマシ及び宮本浩次像ばかりが強調されている気がしてならないんですけど、できればこういう雰囲気の曲もいつか取り上げてもらいたいなあ なんて思っている。
エレカシの曲って「俺」の曲が多く、男が主人公の歌詞が綴られてることが多いんだけれど、「わたし」から語られる女性的で儚げな曲も魅力的なんだ。  

わたしの日々 わたしの努力
わたしの希望 わたしの全部
いつしかあなたを彩る
花束になるのです

あなたへ /エレファントカシマシ

私はこの曲を、他界する人が最期に愛する人に向けて残したメッセージなのだろうと考えている。
「わたしが死んだとしても、ずっとあなたのそばにいるよ」「あなたが私を思い出し続けている限り、私はあなたと共にあるよ」というメッセージを、"あなたを彩る花束になる"と言い表しているところに美しさを感じて涙が出そうになる。
死を迎える人間を花に例えることや彼らの思い出を抱え想いを引き継ぐことを花束の授与に例える等、悲しい局面をこうも美しく表現しているところが宮本さんの紡ぐ歌詞の素敵なところだ。

Rain/秦基博

https://music.apple.com/jp/album/rain/1444874423?i=1444874427

しっとりしたメロディと情熱的な歌詞のギャップが絶妙に官能的で良い……
秦くんのやわらかい歌声の効果もあって、しとしとと降る霧雨を連想させるようなしっとりとした雰囲気を全体に纏いながらも、「どしゃぶり」「ずぶぬれ」「しぶきあげる」「争った」等、豪快な言葉が羅列されてるんだよね。

君じゃない 悪いのは自分の激しさを
かくせないぼくのほうさ

Rain/ 秦基博

 外面では大人しく冷静にあろうとしているけれど内に秘めた情熱がどうしても溢れ出てしまう、そんな内面を歌ったラブソング…みたいな。
しとしとと降る霧雨、ていったけれど、雨ってめちゃくちゃ大量に降ってる場合は寧ろ音が静かだったりするじゃん。そういう風にも捉えられるなぁ、なんて。

ふわふわ/エレファントカシマシ

https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%B5%E3%82%8F%E3%81%B5%E3%82%8F/1536727403?i=1536727448

この曲に関しては歌詞がそのまんま私の内面の苦しみを表現してくれているので多くは語らないんですけど。

決まりきった常識が 不思議さ
追いかけまわされて くたくたさ
自分の姿がわからない
わからない

ふわふわ/エレファントカシマシ

世の中にある「常識」は人々の信仰が合わさってできたでかい塊だと思う。
常識から外れた人や馴染めない人のほうをおかしい、狂った人と見なすけれど、そんな常識というものを信じて疑わない人だって信仰心が強くて怖いと思うし、常識から外れた人側から見たら守ってる人だって狂った人に見えるんだろう。
外国人から見たらこっちも外国人だし宇宙人からみたらこっちも宇宙人。
ただ数が多いか少ないかの違い。多い方が勝つ。それが常識となる。

ああ 人の目ばかり目について
自分の姿がわからない 
ぐちゃぐちゃさ

ふわふわ/エレファントカシマシ

これが今の自分の心境にはまりすぎていてほんとに………と目に涙を浮かべながら頷くことしか出来ない。どうしたらいいんだ。

ヤバみ/ヤバイTシャツ屋さん

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%BF/1440913687?i=1440913846

精神すり減り野郎とヤバTて対極にあんじゃない?て感じもするけど、しんどさがハイパーになるとヤケクソになってくるときってありません?そんなテンションにぴったりなのがヤバT。もうヤバみバみバみバみバみが深みで!!!!!!!としか言えない。そんなときもある。ヤバTって綺麗事無理に言おうとせず感情のままにテンション高く暴れてるところが正直者で大好き。

メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0/1464634454?i=1464634464

今更、突然に「この曲ってBUMP OF CHICKENの曲の在り方について歌ってるんだなあ」て気づいたというか、そんな方面に解釈するようになった。
メロディーフラッグは直訳すると音楽の旗だと思うんですけど、そこから派生して、目印となる音楽 記録として残る音楽 ていう意味も込められてるような気がしてきた。

いつのまにか月日は流れていって苦しんだり悲しんだりしたいつかの日のことも忘れていってしまうけれど、音楽を聴くとふと当時の記憶が蘇ってきたりする。そして同時に、あの苦しい瞬間にこうして支えてくれる存在がいたんだと思い出すこともできる。そしてまた同じように苦しんだ時に、過去に支えてくれた曲を思い出して再び力を貰う。

私にとってBUMP OF CHICKENの曲はずっとそうあり続けてくれている。もうどうしようないほど辛くて誰にも助けを求められず苦しい思いをしているときも、曲はそばにいるんだと、そう教えてくれるようにBUMPはその優しさを音楽の旗にして深く大地に突き刺してくれたんだろうな。

消える景色のその中に
消せない旗がある
ここで今 君の手を
掴む為のメロディーフラッグ
遠い約束の歌 深く刺した旗

メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN

私たちが掴むのではなく、彼らが私たちの手を掴んでくれるし、それが彼らにとっての私たちとの「約束」なんだよね。  なんて優しい人たちなんだろう。



オワリ